牧師を名乗るその男はわたしの目の前に突然現れ、こう語った。
「わたしたちの教会では、哀れなあなたのためにひそかに祈り続けてまいりました。あなたが満ち足りて豊かな生活を送れるように、真心を込めて、朝も夜も、雨の日も雪の日も欠かさず、年末年始には夜を徹してまで、ひたすらに信徒一同心をひとつにして祈ってきたのです。
ですが、もう我慢できません。もう堪忍袋の緒が切れました。あなたはどうしてそうみすぼらしいままなのです? わたしたちがあなたが立派な服を着るようにひたすら祈ったというのに。あなたはどうしてそうショボくれたままなのです? あなたが喜びに溢れて暮らせるよう、神様に繰り返し繰り返し祈ってきたというのに。
これではわたしたちがあまりにもかわいそうです。わたしたちはみなあなたに失望しています。あなたはわたしたちの尊い祈りをすっかり無駄にしてしまったのです。ああ、こんな恩知らずにではなく、もっと他の貧乏人のために祈っていればよかった! これがわたしたち敬虔なる信徒の嘘偽りのない気持ちなのです。
わたしは、牧師として教会の善良な信徒たちのために、要求します。わたしたちがあなたのために祈った祈りをすべて耳を揃えてただちに返却してください、と!」
これこそがわたしの人生をめちゃくちゃにした「お祈りを返せ裁判」のはじまりだったのである。
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