2011年1月27日木曜日

推理

高校を卒業して1年ぐらい経った頃の話。

わたしの同級生のひとり、Yが、別の同級生、Hに木更津の街角で偶然出会った。「おお、久しぶり、何してる?」などと言葉を交わしながら、YはHの額が若干広がっているのを心に留めた。

半年ほどして、Yは再びHに、今度は千葉のあたりで思いがけなく出くわした。東京の大学に通うYは「奇遇だねえ」と学生気分まる出しだ。「何してんの、こんなとこで」「まったく!」などと意外な再会を面白がって二人は別れたのだが、YはHの額がさらに後退しているのに気がつかずにはいられない。

そんな話を別の同級生にしたら、そいつもこの間、思わぬところでHと鉢合わせしたと話す。Yはしばらく考えた後、「Hがハゲるのは、俺たちに偶然会うことが多すぎて、ビックリするからではないだろうか?」と推理してみせた。

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